自転車はじめた

自転車――ロードバイクを買った。

5月末に注文してから、自転車関係の本を読んだり、自転車屋を回って必要な物をそろえたりしていた。海外通販がすごいらしいと聞いて、Wiggleってみた*1。カイシャではGoogle mapを眺めてロングライドを夢想したり、自転車乗りのblogを読んだりしていた。

そんなふうに3週間すごして、今日、引渡しを受けた。

自転車屋で基本的な説明をしてもらって、家まで乗って帰ってきた。

高校を卒業して東京に出てきてから、自転車にはほとんど乗っていなかった。たまに実家に戻ったときに、親の自転車を借りて乗ることがあるくらい。そんな状態からロードバイク

かるい。

はやい。

踏めばそれだけ進む。

足→ペダル→クランク→チェーンとかいろいろな機械→タイヤ→地面

じゃなくて、

足→ペダル→地面。

いや、

自転車こいでるんじゃなくて、地球をこいでる。

ペダルを踏めば景色が流れてくる。

身体から来る多幸感を、ひさしぶりに味わった。

しかし、

こわい。

足、とどかないし。

しぬ、これ。



…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。



Nintendo DS を開かなくなって数か月。既に脳に転移した凛子がぼくを詰る。

  • たかが自転車にそんな大金つぎ込んで、バカじゃないの?
  • どーせすぐ飽きるんでしょう?
  • 足の痛みが何年も続いてるのは どうすんの?
  • 事故って死ぬの?


コケてイタイのはイヤだ。けど、死ぬことについては――35歳にもなって こんなことじゃいけないとも思うけど――ほんとはよくわからない。やりたいことやって、責められるような落ち度もなく死ぬのなら、それでいいという気がする。絶対にやり遂げなきゃいけないことがあるわけでもないし。(ああ、読んでおきたい本が何冊か、のんでみたいお酒が何種かあるなあ(「宝島」がすきだったのでラムを…。水道橋の「とんがらし」にも行ってみたいかなあ。

足を含め、体の調子のことも、わからない。何かすれば治るとも思ってないし、うまく付き合っていくしかないや。

飽きちゃうかな。そうかもしれない。半年後には、この自転車のフレームが、ぼくの醜い物欲の墓標になっているのかもしれない。でも、せめて履歴書に「趣味は自転車」と書ける程度には、続けたい。

そもそも飽きるかどうか、やってみなきゃわからないし、やってみて飽きたなら、それもひとつの経験で、どこかにある何かのリストに「チェック」がひとつ増えるだけだと思う。で、それは恥ずかしいことじゃなくて。むしろ、ぼくの経済がまわる範囲で、そういう「チェック」を増やしていきたいような気もする。

自転車の値段については、墓石だと思えば、へんに安いのにすることないと思うし。(墓石相場は知らないし、ぼくは死なないし(思考は混乱し、こじつけの正当化を試みてる。

  • なんで105-5700系を積んだ11年モデルを待たないのよ? それにもう梅雨じゃない。


リンコちゃん、意外と詳しいね…。

と、とにかく。

ぼくは自転車に乗りたくて。乗りたいのか欲しかったのか買い物したかったのかよくわからないけど、たぶん、それ全部。

それに、もう買っちゃったから。お金払ったから。はじまっちゃったから。どんな終わりかたになるのか わからないけど、あとは終わりまで行くだけだから。

で、明日はマナカちゃんと朝練だから。もう寝るね。グッナイ。



……ブウウウ…………ンン…………ンンン…………。



そういうことで、

日の出ている間は、できるだけ自転車に乗っているようにしたい。日中ほとんど会社にいるわけだけど、仕事しないで、なるべく自転車のことを考えて過ごすようにしたい。

雨の日は本を読んでいたい。自転車の面倒を見てやりたい。

日が沈んだら、音楽を聴きながら すこしだけお酒を飲んで、そして静かに眠っていたい。

*1:しかしほんとにすごいね。この国は鎖国していたのか?と思う。