自由入門(ぼくは ひとり で、ぜんぜん自由だ。)
ぼくには その生活に責任を持たなければならない扶養家族はいない。借金もない。だから、ぼくが どうなろうが せいぜい両親を心配させる程度のことで、誰に迷惑をかけるでもない。
ぼくには友人知人もない。だから、ぼくが どうなろうが ぼくを嗤う人はいないし、自分を みじめに思ったりする必要もない。
つまり…
結局負ける自分を見ることが怖かったんだ。でも、俺は気づいたんだ。俺は一人で、ぜんぜん自由だって、どっかで気づいたんだ。〔…〕どこまでいっても一人なんだから、何にも気にする必要はないんだ。
三十歳のおっさんにしてプロテインを喰う - 関内関外日記
そうだ。
ぼくは ひとり で、ぜんぜん自由だ。
そこから はじめよう。
そして、ぼくが ほんとうに心配し、恐れなければ いけないものが あるとすれば、それは、「自分で自分を つまらなく してしまうこと」なんだと思う。
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人はどうせ思い通りには生きられない。ただ私が憂える最大のことは、落伍者という萎縮のために私の力がゆがめられたり伸びる力を失ったりしないかということだった。
坂口安吾「いずこへ」