お酒

ウイスキーをのみはじめた当初は、とりあえず権威主義に寄り掛かって、ラフロイグマッカラン、カリラ、アードベッグボウモア、ハイランドパーク、グレンフィディックラガヴーリンなどのシングル・モルトをのんでみた。

最近は権威主義を離れて、「安酒じゃほんとにダメなのか?」と、自分の舌を試している。というか、主義主張ではなくて、「ちがいが わからないなら安いほうにしたい」という身も蓋もない考えなんだけど。

で、その試みとして、近所のスーパーで1,290円(750ml)で売っていたイ・モンクスというブレンデット・ウイスキーをのんでいる。ネットを見ると1,000円を切る店がいくつもあるようなウイスキーだ。肝心の味だけど、「まずくてのめない」ということはない。ただ、おいしいから のんでいるのか、アルコールという薬物を摂取するために のんでいるのか わからなくなり、いまいち酒が進まない日がある。その日の気分や、体調のせいなのだろうか。そんなわけで、心の底から「これはうまい」、「これがすきだ」というものではない。

では、「やっぱりシングル・モルトがよいのか?」といわれると、はっきり答えられない。確かに、ラフロイグ10年はうまい。小学生の時に使った水彩の絵具、両親に連れられて何度も通った博物館、いろんな「記憶のにおい/あじ」がして、すきだ*1。しかし、他の銘柄については、何とも言えない。「グレンフィディックは あまくてジュースみたいだったな」とか、「カリラのボトルは やけにかっこよかったな」といった印象しかない。

そんな程度の舌の持ち主ではあるけれど、「安いほうがいい」といって、「じゃあ調味料や香料が入っていてもいいのか?」となると、さすがにそこまでのニセモノは勘弁してほしいと思う(でも、チューハイはのんでいるのだからいい加減だ)。結局のところ、「ふところ具合と相談しつつ、なんらかの教条主義的な線引きをする」ということなのだろう。昨今「第三のビール」等の売れ行きがたいへんよいそうだが、ビールのみの人は この辺をどう解決しているのだろうか。って、そんなおおげさな話じゃないか。


写真のグラスは、ハイランドパークの おまけ として付いてきたもので、このチューリップ型のグラスでのむと、ウイスキーの味が全然ちがう。空になったグラスを洗わずに一晩置くと、あまい いいにおいがする。おなじ形のグラスをもう一脚ほしいのだが、一度おまけで もらっているので、なかなか購入に踏み切れない。酒瓶は件のイ・モンクス(Ye Monks)で、ラベルには修道士たち(monks)が描かれている。

*1:個人的な体験を元に「記憶のにおい」などと言ってみても他人には伝わらないのだから、味について客観的に書けるようになりたい。