独立の気概――「現代語訳 学問のすすめ」(福澤諭吉著、齋藤孝訳)

この「現代語訳」の文体は好きだ。

訳者の齋藤孝は「福澤の文体は、他人に理解されることを恐れていない」と言う。

独立の気概がない者は、必ず人に頼ることになる。人に頼る者は、必ずその人を恐れることになる。人を恐れる者は、必ずその人間にへつらうようになる。常に人を恐れ、へつらう者は、だんだんとそれに慣れ、面の皮だけがどんどんと厚くなり、恥じるべきことを恥じず、論じるべきことを論じず、人を見ればただ卑屈になるばかりとなる。
福澤諭吉著、齋藤孝訳「現代語訳 学問のすすめ

「気概」とは、〔…〕きちんとやるべきことが見えていて、そこに全精力をかけていきたいという明確な思いのことです。
齋藤孝「解説」(「現代語訳 学問のすすめ」)