朝のなか卯で女の人のとなりになる

今朝、ぼくの朝食の一つのパターンである なか卯 に入ったら、入り口のすぐそばで、小奇麗なスーツを着た女の人が一人、食事をしていました。いつになく人が多くて、ぼくはその人のとなり――椅子をひとつ隔てたとなりではなくて、すぐとなりに座る羽目になってしまいました。ぼくはできるだけ その人から からだを遠ざけるように腰掛けて、椅子からずり落ちそうになりながら、とん汁定食を食べました。その人は焼き鮭を箸でつつきながら ゆっくりと落ち着いた様子で食事をしていました。ぼくはなるべく音をたてないように注意しながら、いつもより時間をかけて、卵かけご飯を食べました。みじめでした。「ごちそうさま」と、いつもと同じ声を出して店を出ました。