圧巻 ―― 押見修造『惡の華』第3巻
圧巻だと思う。
確かに、第1巻、第2巻も相当なものだった。それに、現時点では物語がどこまで続くのか わからない。
いやいやしかししかし。
この第3巻は図抜けている。いったい これから先、この第3巻に比肩する山場が あるものだろうか。購入以来、毎晩 就寝時に読み返している。仲村佐和がp.162の あの表情に至るまでの心情を舐めるように読んでいる。
(特にツンデレ好きを自覚する人には)ほんとうに読んでほしいので、(仲村佐和が好きすぎて)これ以上は ここに書くことができない。
その人に出会うまで僕は思春期の絶望と過剰な自意識を引きずったまま、鬱々とした日々を送っていたんですけど、ある日その人にめちゃくちゃ怒られて「自分の人生はすべて間違いだった」という作文を書けと言われて――それで言われた通りに作文を書いてみたら、不思議と今までの引きずっていたものが整理されてモヤモヤが晴れたんです。これがめちゃくちゃ気持ち良かったんですよ。他人によって世界観をガラッと変えられる喜びを知ってしまいました――単純に性癖の開花という小さな話ではなくて、なんというか人生そのものに影響を与える体験でしたね。そしてこれが春日と仲村さんの関係性の原点になっています――なので「惡の華」は変態を語るマンガではなくて人生を語るマンガだと思って描いています
押見修造(別冊少年マガジン2011年3月号)
「好きな女の子の体操着」とか「変態」といったキーワードで敬遠している人がいたらもったいない作品だなあと思う。
- 作者: 押見修造
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