学校を休んだら「ずるい」と言われたこと

小学生のときのはなし。

朝 起きてみると、学校に行く気分ではなかったので、その日は休むことにした。
体温計をタオルケットでくるんで、息を吹き込むと水銀がみるみる昇っていく。これでぼくは何度も学校を休んでいる。
母さんに頼んで、学校に電話してもらう。母さんに買ってきてもらったイチゴを食べる。テレビの前に布団を敷いてもらって、低学年向けの番組を眺める。
そんなふうにのんびりと過ごしていると、徐々に気分が前向きになってきたので、自転車で近くの駄菓子屋にでかけることにした。ビックリマンのプリン味のアイスを食べたかったのだ。
学校のわきを通った。みんながサッカーをしていた。体育の時間かあ、と思った。ぼくの名前をさけぶ声が聞こえたような気がした。
次の日、教室に入ると、わあっと声が上がって、みなに「ずるい」と言われた。
「そんなに学校が嫌なら、来なければいいのに。」と、ぼくは思った。