日経平均の適正水準の試算(2008.12.22)

山崎元(やまざき・はじめ)さんが著書やブログで紹介されている、株価の適正水準についての考え方にそって、株価を試算してみました。*1

材料

直接の材料はつぎの3つの数値です。

ただし、日経平均の一株利益は株価と株価収益率から計算する必要があるので、webであつめる数値は次の4つになります。

材料をあつめる

日経新聞のページから数字をひろいます。(ことわりのないかぎり2008年12月22日の数値です。)

日経平均株価 8,723.78円
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/

日経平均の株価収益率 15.35倍(今期予想利益ベース)
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/japanidx.aspx

日経平均の一株利益を計算します。《株価収益率 = 株価 / 一株利益》ですので、日経平均株価日経平均の株価収益率でわって、

これで材料がひとつあつまりました。

つぎに、

http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/worldidx.aspx

最後のひとつ

  • 名目GDP成長率 0.1%

ソースはここ

政府は19日午前の閣議で、2009年度経済見通しを閣議決定した。実質経済成長率を0.0%、名目は0.1%に設定。金融危機をきっかけにした世界的な景気後退の中で、内外需とも厳しい状況が続くとの見通しを示した。ただ、経済対策による底上げ効果と年度後半の民需持ち直しを見込んで、成長率を民間予測より高めに設定している。

(12/19)09年度の政府経済見通し、実質成長率ゼロに

さらに上流はここ

平成21年度の国内総生産の実質成長率は、0.0%程度(名目成長率は0.1%程度)になると見込まれる。

平成20年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(平成20年1月18日 閣議決定)

これで材料がそろいました。

計算する

計算式はこれです。

適正株価 = 一株利益 / (長期金利+リスク・プレミアム−名目GDP成長率)

リスク・プレミアムを5%、6%、7%として、それぞれ計算します。

日経平均株価(試算)
5%(上限) 9439.04円
6%(標準) 8094.64円
7%(下限) 7085.46円

なんか、それらしい数字がでてきました。

「もっと手軽な方法」

  • 株式益回り(東証1部全銘柄平均、予想)6.18%

http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/
と、さきにあつめた

をつかって、リスク・プレミアムを計算します。《リスク・プレミアム = 益利回り + 名目GDP成長率 − 長期金利》ですので、

  • リスク・プレミアム 5.07%

となりました。

株式投資の「期待収益率」(A)を「長期金利」(B)と較べる。両者の差(A−B)は、株式投資のリスクを負うことによって投資家が得ることができる追加的な利回りで「リスク・プレミアム」と呼ばれるものだ。このリスク・プレミアムが「5%なら少なめなので株価は高く、6%が標準、7%ならたっぷりあるので株価は安い」と考えることにしたのが、先ほどの日経平均の上限・標準・下限の一応の根拠だ

第八十九回 株価水準の大雑把な判断方法 | 山崎元のホンネの投資教室 - 楽天ブログ

という基準でみると、いまは上限に近いということでしょうか。

メモ

2008.12.22
日経平均株価 8,723.78円
日経平均の株価収益率 15.35倍
日経平均一株利益 568.32円
株式益回り(東証1部平均、予想) 6.18%
長期国債利回り 1.210%
名目GDP成長率 0.1%
数式

期待収益率
 =長期金利+リスク・プレミアム
 =益利回り+名目GDP成長率


益利回り = 一株利益 / 株価


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*1:当然ですが、文責は牧村にあります。