忘れ方、始め方――エルフ「媚肉の香り」

律子とおなじ「忘れ方」。忘れているかのように振舞うこと。そしてもちろん、それは「始め方」でもあります。

「過ぎた事は…忘れなさい…。」
視線だけでなく律子は口調も優しい。
「…私と同じように。」
確かに彼女は最低限しか語らず。自分が事故にあった時のことすら、何も覚えていないの一点張りだ。〔…〕もちろん記憶が抜け落ちてる可能性はある。でも本当のところは誰にも判らなかった。
エルフ「媚肉の香り」、脚本・演出:土天冥海

このシーンはとても、とてもあまい。風鈴の音。