技術を万人の共有財産に。恐怖の空想には希望の空想を対抗させよう。
Googleがストリートビューで実現したことは、ぼくらの知らないところで、既に誰かが実現しているだろう。そしてこっそりとぼくらのことを見ているだろう。そうでないと考えるのは、少しナイーブに過ぎやしないか。
ストリートビューの良い点は、ぼくらの知らないところで誰かが独占していたものを、ぼくらにも使えるようにしたことにある。ストリートビューにどんな弊害があろうとも、これはGoogleの功績だ。
そして今度は、Googleのストリートビューとは別のストリートビューを誰かが作るべきだ。もっともっとたくさんのストリートビューが作られるべきだ。ストリートビューをGoogleに独占させず、ぼくたちの共有財産にするために。
恐怖をあおる空想に対しては、希望をもたらす空想を対抗させること
技術を一部の者に独占させるのではなく、万人の共有財産にすること
――小泉義之『生殖の哲学』