読めない本

夢をみた。

視界いっぱいにページがひろげられている。ならべられた活字の線の密度から、書かれているのは縦書きの日本語だとわかる。濃い文字は漢字で、薄いのは ひらがな だろう。意識を集中すると、文字を読みとることができた。しかし、文字の ならびが まったく意味をなしていない。ただ、漢字と ひらがな の配置やバランスは日本語のものに ちがいない。なにがあったのかわからないが、漢字は漢字と、ひらがな は ひらがな と、ランダムに いれかわって しまったのだろう。この本に書かれていたのは、もともとは きちんとした日本語の文章だったはずだ。