ただしいことについて考えることがすくなくなった。

ぼくは今年34歳になった。来年は35歳になると思う。もう半分は生きたのだろうか。でも、20歳くらいの頃から、いや16歳くらいかな、ずっと同じことを考えているような気がする。おなじ夢の中にいるような気がする。そんな気がして、でもすぐに、かわったところもあるなと思った。
ただしいことについて考えることがすくなくなった。

アラムハラドが言いました。「〔…〕小鳥が啼かないでいられず魚が泳がないでいられないように人はどういうことがしないでいられないだろう。人が何としてもそうしないでいられないことは一体どういう事だろう。考えてごらん。」〔…〕小さなセララバアドは少しびっくりしたようでしたがすぐ落ちついて答えました。「人はほんとうのいいことが何だかを考えないでいられないと思います。」

宮沢賢治 学者アラムハラドの見た着物

昨夜ベッドの中でふと思った。
早く寝なさい。*1

*1:自分自身について、あるいは自分が欲すること、必要とすること、失望していることについて考えるのは、なるべくしないこと。自分についてはまったく、または、少なくとももてる時間のうち半分は、考えないこと。」(ソンタグ